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WordPressを最新バージョンに保つべき理由と更新方法

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「更新の通知が来てるけど、今は問題なく動いてるし、まあいいか…」

そんな風に思って、WordPressの更新を後回しにしていませんか?気持ちはよく分かります。「更新したら何か壊れるんじゃないか」という不安、ありますよね。

でも実は、更新しないことの方がずっと危険なんです。今回は、なぜWordPressを最新版に保つべきなのか、そして初心者の方でも安全に更新できる具体的な方法をお伝えします。

WordPressを最新版に保つべき5つの理由

更新することのメリットは、実はセキュリティだけじゃないんです。機能面でもパフォーマンス面でも、たくさんの良いことがあります。WordPressを古いバージョンのまま放置することは、セキュリティ上の重大なリスクを抱えることになります。本記事では、WordPressを最新バージョンに保つべき理由と、安全に更新を行うための具体的な手順について、初心者の方にも分かりやすく解説します。

1. セキュリティの穴を塞ぐ

これが一番大事な理由です。WordPressは世界中で使われているからこそ、常に多くの専門家が目を光らせています。

弱点が見つかると、開発チームがすぐに修正プログラムを作って新バージョンとして公開します。でも、ここが問題。この情報は誰でも見られるんです。つまり、悪い人たちも「あ、ここに穴があるんだ」って分かってしまう。

だから、更新しないサイトは「ここから入れますよ」と看板を出しているようなもの。実際、2024年のデータによると、WordPressサイトへの攻撃の約73%は、すでに修正済みの古い弱点を狙ったものだったそうです。つまり、更新さえしていれば防げた攻撃がほとんどだったということ。

2. 新しい機能が使えるようになる

セキュリティだけじゃありません。WordPressは更新のたびに、どんどん使いやすくなっているんです。

最近のWordPressは、ブロックエディタという記事作成の仕組みがどんどん進化しています。WordPress 6.0以降では、サイト全体のデザインを、プログラムコードを触らなくても視覚的に変えられる機能が大幅に強化されました。

WordPress 6.5では、フォント管理の機能が追加されて、Webフォントの扱いがグッと簡単に。こういった新機能を使えば、もっと素敵なサイトを効率よく作れるようになります。

3. サイトの表示が速くなる

バージョンアップのたびに、WordPressは裏側でいろいろな最適化をしています。データベースの処理を効率化したり、画像の読み込み方を工夫したり。

サイトの表示速度って、訪問者の満足度に直結しますよね。さらに、Googleも「速いサイト」を高く評価するので、検索順位にも影響します。最新版を使うだけで、こういった速度改善の恩恵を受けられるんです。

4. プラグインやテーマとの相性を保つ

ほとんどのプラグインやテーマは、最新のWordPressに合わせて作られています。WordPress本体が古いままだと、新しいプラグインが使えなかったり、動きがおかしくなったり。

逆に、WordPressは古いままでプラグインだけ更新しても、やっぱり相性が悪くなることがあります。全部を最新に保つことで、安定したサイト運営ができるんです。

5. サポートを受けられる

古いバージョンを使っていると、困ったときにヘルプが受けにくくなります。サポートフォーラムや開発者の方々は、基本的に最新版を前提に回答しているので。

それに、セキュリティの修正プログラムも、最新版とその直前のバージョンにしか提供されません。古いバージョンを使い続けるということは、サポート対象外になるということなんです。

更新するときのリスクと、その対策

「でも、やっぱり更新して何か壊れたら怖い…」という気持ち、よく分かります。確かに、更新には多少のリスクがあります。でも大丈夫。きちんと対策すれば、ほとんどの問題は防げます。

どんな問題が起こる可能性があるの?

更新したときに起こりうる主な問題はこんな感じです。

  • サイトが真っ白になって何も表示されない
  • 管理画面に入れなくなる
  • 一部の機能が動かなくなる
  • デザインが崩れる

怖いですよね。でも、これらはほとんどの場合、プラグインやテーマとの相性問題が原因。つまり、事前にチェックして対策すれば防げるんです。

リスクを最小限にする4つの対策

1. バックアップは絶対に取る

これ、本当に大事です。更新する前には必ず、サイトのバックアップを取りましょう。万が一何か起きても、バックアップがあれば元に戻せます。

保険みたいなものですね。

2. テスト環境で試してから

できれば、本番のサイトとは別に、テスト用のサイトを用意して、そこで先に更新を試すのが理想的です。多くのレンタルサーバーには、こういったテスト環境を簡単に作れる機能があります。

3. 使っているものが対応しているか確認

更新前に、今使っているプラグインやテーマが、新しいWordPressのバージョンに対応しているかチェックしましょう。各プラグインやテーマの公式ページで確認できます。

4. PHPのバージョンもチェック

WordPressは、サーバーで動いているPHPというプログラム言語で作られています。このPHPのバージョンが古すぎると、新しいWordPressが動かないことがあります。サーバーの管理画面で確認できるので、必要なら更新しておきましょう。

実際に更新してみよう【手順解説】

それでは、実際の更新手順を一つずつ見ていきましょう。初心者の方でも迷わないように、丁寧に説明しますね。

ステップ1:バックアップを取る

何はともあれ、まずはバックアップ。サイト全体のデータを保存しておきます。

バックアップに必要なものは2つ。

  • ファイル類(WordPress本体、プラグイン、テーマ、画像など)
  • データベース(記事やコメント、設定情報など)

バックアップの取り方は、いくつか選択肢があります。

方法1:プラグインを使う(一番簡単)

バックアップ専用のプラグインを使うのが一番手軽です。

  • UpdraftPlus:無料でも十分使えて、Googleドライブなどに自動保存もできる
  • BackWPup:細かい設定ができて、スケジュール予約も可能
  • All-in-One WP Migration:初心者に優しくて、サイト移行にも使える

どれか一つ入れておけば安心です。

方法2:レンタルサーバーの機能を使う

エックスサーバーやConoHa WING、さくらインターネットなど、主要なレンタルサーバーには自動バックアップ機能があります。管理画面からボタン一つで取得・復元できるので、こちらも簡単です。

方法3:手動でバックアップ(上級者向け)

FTPソフトでファイルをダウンロードして、phpMyAdminでデータベースをエクスポート…という方法もありますが、これは少し技術的な知識が必要なので、初心者の方にはおすすめしません。

ステップ2:プラグインとテーマが対応しているか確認

WordPress管理画面にログインして、「プラグイン」→「インストール済みプラグイン」を開きます。

各プラグインの詳細を見て、新しいWordPressのバージョンに対応しているか確認しましょう。「外観」→「テーマ」からテーマもチェックします。

もし対応していないものがあったら、代わりのプラグインを探すか、開発者に問い合わせを検討してください。

ステップ3:プラグインを一時的にオフにする(おすすめ)

もっと安全にいくなら、全部のプラグインを一度オフにしてから更新するのがベストです。プラグインとの相性問題を避けられます。

「プラグイン」→「インストール済みプラグイン」で、全部にチェックを入れて、一括操作から「無効化」を選ぶだけです。

ステップ4:WordPress本体を更新する

いよいよ本番です。更新の方法は2パターンあります。

方法1:管理画面から手動で更新

  1. WordPress管理画面にログイン
  2. ダッシュボードに「WordPress ○.○.○ が利用可能です」と出ていたらクリック
  3. または「ダッシュボード」→「更新」をクリック
  4. 「今すぐ更新」ボタンをクリック
  5. 1〜2分ほど待つ
  6. 「WordPressの更新が完了しました」と表示されたら成功!

方法2:自動更新を有効にする

WordPress 3.7以降は、小さなセキュリティ修正は自動で適用されるようになっています。大きなアップデートも自動化したいなら、設定ファイルに特定のコードを追加すればできます。

ただ、自動更新は便利な反面、何か問題が起きたときに気づきにくいというデメリットも。大事なサイトなら、手動で確認しながら更新する方が安心です。

ステップ5:プラグインを元に戻して確認

WordPressの更新が終わったら、さっきオフにしたプラグインを元に戻します。

ここでのポイントは、一気に全部戻すんじゃなくて、一つずつ戻して動作を確認すること。もし特定のプラグインが原因で問題が出ても、どれが悪さをしているか分かりやすくなります。

ステップ6:サイト全体をチェック

全部のプラグインを戻したら、サイトがちゃんと動いているか確認しましょう。

チェックポイントはこんな感じです。

  • トップページや記事ページがちゃんと表示されるか
  • 管理画面の各機能が動くか
  • お問い合わせフォームが送信できるか
  • ECサイトなら、商品ページやカート、決済機能
  • 会員サイトなら、ログイン機能や会員限定コンテンツ

もし何か変だと思ったら、バックアップから戻して、原因を調べてからもう一度チャレンジしましょう。

プラグインとテーマの更新も忘れずに

WordPress本体だけじゃなくて、プラグインとテーマの更新も同じくらい大切です。というか、実はWordPressサイトへの攻撃の約56%は、プラグインの弱点を狙ったものだというデータもあるんです。

プラグインの更新方法

  1. WordPress管理画面にログイン
  2. 「プラグイン」→「インストール済みプラグイン」をクリック
  3. 更新が必要なものには「更新があります」と表示される
  4. 「今すぐ更新」をクリック、または複数まとめて一括更新

プラグインも、バックアップを取ってから一つずつ更新して確認するのがおすすめです。

テーマの更新方法

  1. WordPress管理画面にログイン
  2. 「外観」→「テーマ」をクリック
  3. 更新が必要なテーマには「新しいバージョンが利用できます」と表示
  4. そのテーマをクリックして「今すぐ更新」

注意! テーマをカスタマイズしている場合、更新するとカスタマイズが消えちゃうことがあります。カスタマイズしているなら、「子テーマ」を使うことを強くおすすめします。子テーマを使えば、親テーマを更新してもカスタマイズはそのまま残ります。

どのくらいの頻度で更新すればいい?

「で、結局どのくらいのペースで更新チェックすればいいの?」って思いますよね。

おすすめの更新スケジュール

  • セキュリティ関連の更新:出たらすぐ(数日以内)
  • 小さなアップデート:1週間以内
  • 大きなアップデート:2〜4週間以内(ただしテスト環境で試してから)
  • プラグイン・テーマ:月1回くらい、まとめてチェック

セキュリティに関わる緊急の更新は、できるだけ早めに。大きな機能追加を含むアップデートは、少し様子を見てから適用する方が安全です。

更新管理を楽にする3つのコツ

1. メール通知をオンにする

WordPress管理画面の「ユーザー」→「プロフィール」で、「サイト管理に関するメール通知」にチェック。更新が出たらメールで教えてくれます。

2. 管理プラグインを活用

複数のWordPressサイトを運営しているなら、「MainWP」や「ManageWP」といった一括管理プラグインが便利。一つの画面から複数サイトの更新を管理できます。

3. 定期メンテナンス日を決める

月に1回など、サイトのメンテナンス日を決めておくのもおすすめ。その日に、更新チェック、バックアップ確認、セキュリティチェックをまとめてやると効率的です。

まとめ:更新は最強のセキュリティ対策

WordPressを最新版に保つことは、サイトを守るための基本中の基本です。更新をサボるということは、「ここから入れますよ」と攻撃者に教えているようなもの。

確かに、更新には少しリスクがあります。でも、ちゃんとした手順を踏めば、そのリスクはグッと減らせます。バックアップを取って、相性を確認して、一つずつ丁寧に進めていけば大丈夫。

「今は問題ないから」と先延ばしにするのは本当に危険です。セキュリティの弱点は、見つかってから攻撃されるまでがものすごく早い。場合によっては数時間で大規模な攻撃が始まることもあります。

WordPressサイトを安全に運営し続けるために、定期的な更新を習慣にしましょう。もし自分で更新するのが不安なら、無理せず専門家に相談するのも一つの手です。

今のサイトの状態、確認してみませんか?

自分のWordPressサイトが最新版になっているか、他にセキュリティの問題がないか気になる方は、セキュリティ診断を試してみるといいかもしれません。

30秒ほどで、WordPressのバージョン、プラグインの弱点、情報漏れのリスクなど、サイトの安全性を無料でチェックできるサービスもあります。

WordPressセキュリティ診断 https://rescue-wordpress.com/

定期的に診断して、問題が見つかったらすぐ対処。これだけで、サイトの安全性は大きく変わります。まずは今の状態をチェックしてみませんか?

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